「要調査項目」は、個別物質ごとの「水環境リスク」は比較的大きくない、又は不明であるが、環境中での検出状況や複合影響等の観点からみて、「水環境リスク」に関する知見の集積が必要な物質として環境省により選定されたものです。
項目数も多く、さらに1項目複数種の物質となっているものもあり、対象は数百物質に及びます。これまで個別分析で調査が行われてきていますが、調査が進んでいないのが課題でした。
そこで我々は、要調査項目についてのスクリーニング分析の開発を行ってきました。その成果をこのページでご紹介します。
環境研究総合推進費【5G-2101】「水環境中の要調査項目調査へのターゲットスクリーニング分析の実装」
1.高分解能LC/MSを用いたスクリーニング分析マニュアル
AIQS-LC法をベースとした分析法。Kadokami and Ueno (2019)に登録されている21物質に加え、要調査項目対象103物質のスクリーニング分析法。
2.AIQS-GCで一斉分析可能な要調査項目物質のデータ解析マニュアル
- ソフトウェア間で同一性の高い検出判定方法と、AIQS-GCデータベース内での誤同定検証方法
環境研究総合推進費【5-1706】「水環境保全に向けた要調査項目の一斉評価手法の開発と要調査項目候補選定への展開」
- 要調査項目84物質の高分解能LC/MSによるスクリーニング分析(Xie, Nakajima, Kasuga and Kurisu, Chemosphere, 2021)
- OrbitrapMSを用いた分析法の開発(前処理法、HPLCカラムの選定等)
- 荒川を対象とした調査結果(上流から下流まで1回採水)